2019年から働き方改革関連法が順次施行され、時間外労働には上限が設けられました。
原則として、
- 月45時間以内
- 年360時間以内
という基準が定められています。
そのため、多くの企業では、
- 残業を減らそう
- 定時退社を徹底しよう
という取り組みを進めています。
しかし、本当にそれだけで残業は減るのでしょうか。
私は、残業時間を減らすことが目的ではなく、残業しなくても成果が出る仕事の進め方をつくることが目的である。
と考えています。
そのための仕組みが、ワークルールブックです。
「生産性を上げましょう。」
多くの会社で、この言葉が掲げられています。
しかし、
- 残業を減らしても仕事が終わらない
- 業務改善を呼びかけても続かない
- 会議を短くしても成果が変わらない
このような悩みを抱えている会社は少なくありません。
なぜでしょうか。
それは、生産性を上げるための「行動」が明確になっていないからです。
私は、ワークルールブックは、生産性向上を実現するための最も身近な仕組みの一つだと考えています。
「働き方改革」と聞くと、多くの人は次のような取り組みを思い浮かべます。
- 残業時間を減らす
- 有給休暇を取得しやすくする
- 勤務間インターバル制度を導入する
- 長時間労働をなくす
もちろん、これらはとても大切な取り組みです。
しかし、制度を整えただけで、本当に働き方は変わるのでしょうか。
制度だけでは働き方は変わらない。
社員一人ひとりの行動が変わって初めて、働き方改革は実現する。
と考えています。
その「行動」を変える仕組みが、ワークルールブックです。
「ワークルールブックを作ったのですが、配っただけで終わってしまいました。」
これは、多くの会社で耳にする悩みです。
一方で、同じようにワークルールブックを導入しても、
- 社員が自然と活用する会社
- 新入社員の教育に欠かせない会社
- 毎年内容が充実していく会社
があります。
この違いは何でしょうか。
私は、その違いは「ワークルールブックを本として考えるか、会社の財産として考えるか」にあると思います。
「ワークルールブックには、どのようなルールを書けばよいのでしょうか。」
この質問をいただくと、私は必ずこうお伝えしています。
ワークルールブックには、『守りのルール』と『攻めのルール』の両方が必要です。
しかし、多くの会社では「守りのルール」ばかりが増えてしまいます。
その結果、
- 「○○してはいけません」
- 「△△は禁止です」
- 「必ず○○してください」
という内容が並び、社員は「管理されている」という印象を持ってしまいます。
本来、ワークルールブックは社員を縛るためのものではありません。
会社には立派な経営理念がある。
しかし、
- 社長しか覚えていない
- 朝礼で唱和するだけ
- 現場の行動につながっていない
そんな会社は少なくありません。
実は、多くの会社で理念が浸透しない理由はとてもシンプルです。
理念が「言葉」のままで終わっているからです。
経営理念は、社員一人ひとりの行動になって初めて価値を持ちます。
そのために必要なのが、
「行動理念」を評価基準に落とし込むこと
です。
A4一枚評価制度では、
「行動理念に直結する仕事上での役割、行動を情意評価項目として定める」
という考え方を大切にしています。
今回は、経営理念を全社員で実践するための方法について解説します。
「ワークルールブックと就業規則は、同じようなものではないですか?」
この質問をいただくことがあります。
確かに、どちらも会社のルールをまとめた文書です。
しかし、その目的も役割も大きく異なります。
結論からお伝えすると、
就業規則の目的は、企業のリスクを回避し、労務管理のルールを定めること。
ワークルールブックの目的は、望ましい行動を増やし、職場風土を育てることです。
この違いを理解すると、経営計画やA4一枚評価制度とのつながりも見えてきます。
ワークルールブックを作成するとき、多くの経営者や人事担当者から次のような質問を受けます。
- 「経営計画は載せたほうがいいですか?」
- 「年間目標も掲載したほうがいいですか?」
- 「会社が評価したい社員像を書いたほうがいいですか?」
- 「評価制度の説明も必要でしょうか?」
私の答えは明確です。
はい、掲載することをおすすめします。
ただし、単なる説明資料として載せるのではなく、社員の行動を促す“プロンプト(行動のヒント)”として活用できる形にすることが大切です。
ワークルールブックを作る際によくいただく質問があります。
「経営理念や事業方針も載せた方がよいのでしょうか?」
「行動方針や行動計画まで入れた方がよいのでしょうか?」
結論からお伝えします。
記載した方がよいです。
ただし、単に載せるだけでは意味がありません。
経営理念 → 事業方針 → 行動方針 → 行動計画 → ワークルール
が一本につながるように整理することが重要です。
なぜなら、
ワークルールブックの役割は、経営計画を日常行動に変えることだからです。
近年、AIの普及によって「プロンプト」という言葉を耳にする機会が増えました。
プロンプトとは、簡単に言えば、「次にどう動けばよいかを示すヒント」
です。
AIに対して適切なプロンプトを与えると、期待する回答が得られます。
実は、人の行動にも同じようなことが言えます。
社員に対して、
- 頑張ってください
- 主体的に動いてください
- チームワークを大切にしてください
と伝えるだけでは、なかなか行動は変わりません。
なぜなら、何をすればよいのかが分からないからです。
そこで重要になるのが、ワークルールブックです。
私は、ワークルールブックとは、社員の行動を促す「プロンプト」であると考えています。