「ワークルールブック」は「就業規則」と何が違うのか?
~就業規則は“会社を守るもの”、ワークルールブックは“会社を育てるもの”~
「ワークルールブックと就業規則は、同じようなものではないですか?」
この質問をいただくことがあります。
確かに、どちらも会社のルールをまとめた文書です。
しかし、その目的も役割も大きく異なります。
結論からお伝えすると、
就業規則の目的は、企業のリスクを回避し、労務管理のルールを定めること。
ワークルールブックの目的は、望ましい行動を増やし、職場風土を育てることです。
この違いを理解すると、経営計画やA4一枚評価制度とのつながりも見えてきます。
就業規則は「会社を守る」ためのルール
就業規則には、
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労働時間
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休日・休暇
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給与
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服務規律
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懲戒
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退職
など、働くうえでの基本的なルールが定められています。
その目的は、
会社と社員の間で起こるトラブルを防ぎ、安心して働ける環境を整えることです。
言い換えれば、
企業のリスクを回避するための土台と言えるでしょう。
ワークルールブックは「職場風土を育てる」ためのガイド
一方、ワークルールブックは少し役割が違います。
大切にしているのは、
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どのように仕事を進めるか
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どのように仲間と協力するか
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お客様にどう向き合うか
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どんな行動を会社が期待しているか
といった日々の行動の考え方です。
目的は、
社員一人ひとりの行動をそろえ、良い職場風土をつくること。
つまり、
会社を「守る」ためではなく、「育てる」ための仕組みなのです。
ルールを守るだけでは、良い会社にはならない
例えば、就業規則をきちんと守っていても、
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誰も改善提案をしない
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情報共有が少ない
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指示がないと動かない
という状態では、組織は成長しません。
逆に、
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困っている仲間を自然に助ける
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気づいたことを積極的に提案する
-
お客様の立場で考えて行動する
そんな文化が根付いている会社は、強い組織になっていきます。
このような行動を後押しするのが、ワークルールブックです。
ワークルールブックは「行動のヒント(プロンプト)」
私は、
ワークルールブックは「プロンプト」である
と考えています。
プロンプトとは、「次にどう動けばよいかを示すヒント」のことです。
例えば、
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「迷ったら、自分の意見を添えて相談する」
-
「お客様の立場で一度考えてみる」
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「仕事は目的を確認してから始める」
こうした一文は、社員が行動するときの後押しになります。
つまり、
**ワークルールブックは“行動を促すガイドブック”**なのです。
経営計画を現場の行動につなげる役割
経営計画には、
-
顧客満足を高める
-
生産性を向上させる
-
自律した組織をつくる
といった目標が書かれています。
しかし、それだけでは現場は動けません。
そこでワークルールブックが、
「その目標を実現するために、今日どのように行動するのか」
を示します。
例えば、
経営計画
「顧客満足を高める」
↓
ワークルールブック
「問い合わせにはできるだけ早く返答し、不明点は放置しない」
こうして経営計画が日々の行動へと変わります。
A4一枚評価制度との相性も良い
A4一枚評価制度は、
「社員を順位づけるため」の制度ではありません。
本来の目的は、
会社が期待する行動を明確にし、人材育成につなげることです。
例えば、
ワークルールブックに
「改善点を見つけたら提案する」
と書かれていれば、
評価制度でもその行動を認め、評価します。
すると社員は、
「この行動を続けよう」
と考えるようになります。
つまり、
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経営計画 … 会社が目指す方向を示す
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ワークルールブック … 行動のヒントを示す
-
A4一枚評価制度 … その行動を認め、育てる
という流れができあがります。
就業規則とワークルールブックは「両方必要」
「就業規則があれば、ワークルールブックは不要では?」
そう考える方もいます。
しかし実際には、それぞれ役割が異なります。
就業規則
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企業のリスク回避が目的
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守るべきルールを定める
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「してはいけないこと」を明確にする
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トラブル防止が中心
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法令や制度との整合性を重視
ワークルールブック
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職場風土の醸成が目的
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望ましい行動を示す
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「こうするとより良い」を伝える
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人材育成・組織づくりが中心
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経営計画や会社の価値観との整合性を重視
就業規則は最低限守るべき約束を示し、ワークルールブックはより良い仕事や組織づくりのための道しるべを示します。
まとめ
ワークルールブックと就業規則は、似ているようで目的が大きく異なります。
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就業規則の目的は、企業のリスク回避と安心して働ける環境づくり。
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ワークルールブックの目的は、望ましい行動を増やし、良い職場風土を育てること。
そして、ワークルールブックは単なるルール集ではありません。
社員が迷ったときに「こう行動してみよう」と背中を押す“プロンプト(行動のヒント)”です。
経営計画で示した方向性を日常の行動へ落とし込み、その行動をA4一枚評価制度で認めて育てていく。
この3つがつながったとき、会社は「ルールで管理する組織」から、「自ら考えて行動する組織」へと成長していくのです。
