【経営計画】人事理念の定め方と人材育成への活用方法
人を育てる会社には「人に対する考え方」がある
(経営計画 × ワークルールブック × A4一枚評価制度)
経営計画をつくるとき、
-
経営理念
-
基本方針
-
行動理念
までは考えていても、
「人事理念」までは明確にしていない会社も少なくありません。
しかし、会社を成長させるのは最終的には人です。
だからこそ、
会社として、人材をどう考え、どのように育てていくのか
を明らかにしておく必要があります。
それが「人事理念」です。
■ 人事理念とは何か
人事理念とは、
人材についての会社の基本的な考え方を示したものです。
もっと分かりやすく言えば、
「私たちの会社は、人をどのように考え、どのように育てていくのか」
を言葉にしたものです。
例えば、
-
人は仕事を通じて成長する存在である
-
一人ひとりの強みを生かす
-
挑戦する人を応援する
-
仲間とともに成長できる人を育てる
といった考え方です。
人事理念は、採用、教育、評価、配置など、人に関する判断の土台になります。
■ なぜ人事理念が必要なのか
人事理念がない会社では、
人に対する考え方が上司ごとに変わりやすくなります。
例えば、
ある上司は「失敗させないように細かく指示する」
一方で別の上司は「失敗してもよいから任せる」ということも起こります。
これでは、社員は戸惑います。
だからこそ、
会社として、人をどう育てるのかという共通の考え方
が必要なのです。
■ 人事理念は経営理念から考える
人事理念だけを別に考えてはいけません。
まず見るべきなのは経営理念です。
例えば、経営理念が
「お客様と社員の幸せを通じて地域社会に貢献する」であれば、
人事理念も
「社員一人ひとりが仕事を通じて成長し、周囲に価値を与えられる人材を育てる」
というように、経営理念とつながっている必要があります。
つまり、
経営理念を実現するために、どんな人材が必要か
という視点から人事理念を考えます。
■ 人事理念をつくるための4つの問い
人事理念を考えるときは、次の4つの問いから始めると分かりやすくなります。
① 社員をどのような存在と考えるか
まず、
会社にとって社員とはどのような存在か
を考えます。
例えば、
-
会社の未来をつくる仲間
-
お客様への価値を生み出す存在
-
成長する可能性を持った存在
などです。
ここが、人事理念の土台になります。
② どのような人材を育てたいか
次に、
会社として、どんな社員になってほしいのか
を考えます。
例えば、
-
自ら考えて行動できる人
-
お客様から信頼される人
-
仲間と協力できる人
-
後輩を育てられる人
などです。
この考え方は、将来の社員人材像にもつながります。
③ 会社は社員の成長をどう支援するか
人材育成は、社員本人だけの責任ではありません。
会社にも役割があります。
例えば、
-
挑戦する機会をつくる
-
学ぶ機会を用意する
-
定期的に振り返る
-
良い行動を認める
-
次の成長課題を一緒に考える
などです。
つまり、
「どんな人になってほしいか」だけでなく、「会社がどう育てるか」も人事理念に含める
ことが大切です。
④ どんな職場をつくりたいか
人は、環境によって育ち方が変わります。
だからこそ、
どのような職場で人を育てたいのか
も考えます。
例えば、
-
お互いに教え合う職場
-
挑戦を応援する職場
-
失敗から学べる職場
-
感謝を伝え合える職場
などです。
■ 人事理念の例
例えば、次のようにまとめることができます。
私たちは、社員一人ひとりを会社の未来をつくる大切な仲間と考えます。
仕事を通じて学び、挑戦し、仲間とともに成長できる人材を育てます。
そして、一人ひとりの成長が、お客様と会社の成長につながる職場をつくります。
大切なのは、立派な言葉にすることではありません。
経営者が本当にそう考えているか
が重要です。
■ ワークルールブックとの関係
人事理念は人材育成の「考え方」です。
しかし、考え方だけでは社員は動けません。
そこでワークルールブックが必要になります。
例えば、人事理念として
「仲間とともに成長する」
と定めたなら、
ワークルールでは、
-
困っている仲間に声をかける
-
自分だけで情報を抱え込まない
-
学んだことを共有する
-
感謝を言葉で伝える
といった具体的な行動にします。
つまり、
人事理念が「どんな人を育てるか」を示し、ワークルールブックが「日々どう行動するか」を示す
という関係です。
■ A4一枚評価制度との関係
A4一枚評価制度では、
評価制度を
人を選別する仕組みではなく、人を育てる仕組み
として考えます。
そのため、人事理念で定めた
「どんな人を育てたいか」
を評価項目にもつなげます。
例えば、
人事理念が
「自ら考え、仲間と協力して成長する人を育てる」
であれば、
評価項目として、
-
主体性
-
協力する姿勢
-
学ぶ姿勢
-
後輩育成
などを設定できます。
こうすることで、
人事理念 → 評価 → 面談 → 育成
が一本の線でつながります。
■ 人事理念は「育成の指針」になる
人事理念があると、
採用でも、
教育でも、
評価でも、
「この会社としてどう考えるか」
という基準ができます。
例えば、
評価面談でも、
「点数が低いからダメ」
ではなく、
「私たちが目指す人材像に近づくために、次は何を伸ばそうか」
という対話ができます。
これが、人を育てる評価制度です。
■ 経営計画の中で人事理念をどう位置づけるか
経営計画では、次のようにつながります。
経営理念
↓
基本方針
↓
行動理念
↓
人事理念
↓
将来の社員人材像
↓
評価項目・教育
↓
社員の成長
↓
経営理念の実現
つまり、人事理念は、
経営理念と人材育成をつなぐ橋
なのです。
■ まとめ
人事理念とは、
人材についての会社の考え方を示したものです。
そして、
社員を育成していくときの指針
になります。
人事理念を定めるときは、
-
社員をどのような存在と考えるか
-
どんな人材を育てたいか
-
会社は成長をどう支援するか
-
どんな職場をつくりたいか
を考えてみてください。
そして、その考え方をワークルールブックの日々の行動につなげ、A4一枚評価制度の評価項目や面談につなげていく。
そうすることで、
人事理念は「きれいな言葉」ではなく、「人を育てる会社の仕組み」になります。
会社の未来をつくるのは人です。
だからこそ、経営計画の中で「どんな人を育てるのか」を明確にすることが、とても大切なのです。
