【A4一枚評価制度】の考え方と目的
「そもそも、人事評価は本当に必要なのでしょうか?」
人事制度を考えていると、一度はこの疑問にぶつかります。
評価をすると不満が出る。
上司によって評価が違う。
評価の時期になると、社員も管理職も疲れてしまう。
それなら、いっそのこと人事評価をやめた方がよいのではないか。
そう考えるのも無理はありません。
しかし、A4一枚評価制度ではこう考えます。
人事評価そのものが必要なのではありません。
会社が目指す方向と、社員の日々の行動をつなぐ仕組みが必要なのです。
その役割を果たすものの一つが、人事評価制度です。
人事評価が必要ない会社もある?
まず、少し大胆に考えてみましょう。
もし社員全員が、
-
経営計画を理解している
-
自分の役割を分かっている
-
ワークルールに沿って行動できる
-
自分で振り返って改善できる
-
上司と日常的に十分な対話ができている
のであれば、形式的な人事評価は必要ないかもしれません。
つまり、評価制度がなくても、
会社の目標に向かって、自分で考え、自分で行動できる組織
であればよいのです。
ただ、現実にはなかなかそうはいきません。
評価制度がないと何が起こるのか
評価制度をなくしても、人は評価されなくなるわけではありません。
実際には、
-
上司の印象
-
好き嫌い
-
声の大きさ
-
最近の出来事
などによって、見えない評価が行われます。
つまり、
制度をなくしても、評価そのものはなくならないのです。
だからこそ大切なのは、
「評価をするか、しないか」
ではありません。
何のために評価するのか
を明確にすることです。
A4一枚評価制度における評価の目的
A4一枚評価制度では、人事評価の目的を大きく、
-
業績向上
-
人材育成
と考えます。
人を順位付けするためではありません。
給与を決めるためだけでもありません。
会社が目指す方向に向かって、社員の行動をより良くしていくため
に評価を使います。
ここを間違えると、評価制度はすぐに形だけのものになります。
経営計画と人事評価の関係
まず出発点になるのは、
経営計画です。
経営計画には、
-
会社はどこを目指すのか
-
今期は何を大切にするのか
-
どんな成果を出したいのか
が示されています。
しかし、経営計画を作っただけでは会社は変わりません。
実際に成果を生み出すのは、
社員一人ひとりの日々の行動です。
だからこそ、
経営計画
↓
会社目標
↓
組織目標
↓
個人目標
↓
日々の行動
へとつなげる必要があります。
人事評価制度は、そのつながりを確認するための仕組みです。
ワークルールブックの役割
では、目標があれば人は動けるのでしょうか。
実は、それだけでは十分ではありません。
「売上を上げよう」
「顧客満足を高めよう」
と言われても、
具体的にどう行動すればよいのか分からないことがあります。
そこで必要になるのが、
ワークルールブックです。
ワークルールブックには、
-
お客様の立場で考える
-
改善を続ける
-
仲間と協力する
-
約束を守る
など、この会社で大切にしたい行動が書かれています。
つまり、
経営計画が「どこへ行くか」を示し、ワークルールブックが「どう進むか」を示すのです。
では、A4一枚評価制度は何をするのか
A4一枚評価制度の役割は、
経営計画とワークルールが、実際の行動につながっているかを振り返ることです。
例えば、
-
目標に向かって行動できているか
-
良い行動が増えているか
-
改善すべきことは何か
-
次は何を変えるか
を上司と本人が一緒に確認します。
つまり評価とは、
「あなたは何点です」
と判定することではありません。
これからどう成長していくかを考えるための対話なのです。
人事評価がうまくいかない本当の理由
人事評価が嫌われるのは、
評価制度そのものが悪いからではありません。
多くの場合、
評価の目的が変わってしまっているからです。
例えば、
-
点数を付けることが目的になる
-
給与を決めることが目的になる
-
公平に見せることが目的になる
こうなると、社員は評価を「成長のため」ではなく、
「損をしないためのもの」として見るようになります。
すると、
-
失敗を隠す
-
挑戦しない
-
本音を言わない
ということが起きます。
本当に必要なのは「評価」ではなく「振り返り」
ここで、もう一度考えてみましょう。
本当に必要なのは、人に点数を付けることでしょうか。
A4一枚評価制度では、
本当に必要なのは、定期的に行動を振り返ることだと考えます。
-
何がうまくいったのか
-
なぜうまくいったのか
-
何を改善するのか
-
次にどう動くのか
これを繰り返すことで、人は成長し、組織も成長します。
人事評価の理想は「評価制度がなくても回る組織」
少し矛盾して聞こえるかもしれません。
しかし、A4一枚評価制度の最終的な理想は、
評価制度がなくても、社員が自分で振り返り、自分で行動を修正できる状態です。
経営計画を理解し、
ワークルールを判断の基準として使い、
自分自身で行動を振り返る。
その状態まで社員が成長すれば、
人事評価制度の役割は小さくなっていきます。
つまり、
人事評価制度の目的は、人を評価し続けることではなく、自分で成長できる人を増やすことなのです。
最後に
「本当に人事評価は必要ですか?」
この問いに対するA4一枚評価制度の答えは、形式的な評価は必要ありません。
しかし、会社の方向と社員の行動をつなぎ、成長を振り返る仕組みは必要です。
ということです。
経営計画で方向を示し、
ワークルールブックで行動の基準を示し、
A4一枚評価制度で振り返る。
この3つがつながることで、
評価制度は「人を裁く仕組み」ではなく、
会社と社員が一緒に成長するための仕組みになります。
人事評価をなくすことを考える前に、
まず、今の評価制度は、本当に人と組織の成長に役立っているか
を問い直してみることが大切ではないでしょうか。
