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【ワークルールブック】で「勤務間インターバル」にどう取り組むか

【ワークルールブック】で「勤務間インターバル」にどう取り組むか

~「休む時間」を確保することも、良い仕事をするための大切なルール~

「勤務間インターバル」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
勤務間インターバルとは、簡単に言えば、
仕事が終わった時間から、次の仕事を始める時間まで、一定の休息時間を確保することです。
例えば、夜遅くまで仕事をした社員が、翌朝早くからまた仕事を始める。
このような働き方が続けば、十分な休息を取ることができません。
そこで大切になるのが、
「仕事を終えてから、次の仕事を始めるまでの時間をきちんと空けよう」
という考え方です。
私は、この勤務間インターバルの考え方は、ワークルールブックと非常に相性が良いと考えています。
なぜなら、勤務間インターバルは単なる時間管理ではなく、会社の働き方そのものを見直す取り組みだからです。

まず、「何のために行うのか」を明確にする

ワークルールブックに勤務間インターバルについて記載するとき、最初から、
「○時間空けなければならない」
というルールだけを書くのはおすすめしません。
まず伝えたいのは、
「なぜ、休息時間を確保するのか」
という目的です。
例えば、
「社員が心身ともに良い状態で働ける職場をつくるため」
「十分な休息を取り、翌日も良い仕事をするため」
「長く安心して働ける会社をつくるため」
という目的を共有します。
ルールだけを伝えると、人は「守らされている」と感じやすくなります。
しかし、目的が分かれば、
「自分たちが良い仕事をするために必要なルールなんだ」
と理解しやすくなります。
ワークルールブックで大切なのは、単にルールを書くことではありません。
目的と行動をセットで伝えることなのです。

「守りのルール」として明確にする

勤務間インターバルには、社員の健康を守るという大切な役割があります。
そのため、ワークルールブックでは、まず「守りのルール」として基本的な考え方を示します。
例えば、
  • 仕事が終わってから次の勤務までは、会社で決めた休息時間を確保する
  • 夜遅くまで勤務した場合は、翌日の始業時間を調整する
  • 上司は部下の退勤時間と翌日の勤務開始時間に気を配る
  • 長時間勤務が続いている場合は、本人任せにせず仕事の分担を見直す
といった内容です。
ここで大切なのは、
「休むのは社員本人の責任」としないことです。
本人が「大丈夫です」と言っていても、長時間働くことが当たり前になっていれば、なかなか自分から休むことはできません。
会社として「きちんと休むことも仕事の一部である」と伝える必要があります。

「攻めのルール」も一緒につくる

しかし、「休息時間を確保しましょう」という守りのルールだけでは、勤務間インターバルはうまく機能しません。
仕事の量や進め方が変わらなければ、社員は、
「仕事は終わらない。でも帰らなければならない」
という状態になってしまうからです。
そこで必要になるのが、攻めのルールです。
例えば、
  • 今日やる仕事の優先順位を朝に確認しよう
  • 終業時間を意識して仕事を組み立てよう
  • 一人で仕事を抱え込まず、早めに相談しよう
  • 遅い時間のメールや連絡は、緊急時を除いて控えよう
  • ムダな仕事を見つけたら、みんなで改善しよう
  • 特定の人に仕事が集中していないか確認しよう
といった行動です。
「遅くまで働いてはいけない」だけではなく、
「どうすれば遅くまで働かなくても成果を出せるのか」
まで考える。
これが、ワークルールブックを活用する大きな意味です。

ワークルールブックは「行動のヒント」になる

私は、ワークルールブックはプロンプトだと考えています。
プロンプトとは、難しく考える必要はありません。
「次にどう行動すればよいかを教えてくれるヒント」です。
例えば、夕方になっても大量の仕事が残っているとき、
「一人で抱え込まず、早めに相談しよう」
という言葉がワークルールブックにあれば、相談するきっかけになります。
上司にとっても、
「遅くまで頑張っている社員を評価する」
のではなく、
「なぜ仕事が遅くなっているのかを一緒に考える」
という行動のヒントになります。
勤務間インターバルを定着させるためには、社員だけでなく、管理職の行動を変えることも大切なのです。

経営計画とつなげて考える

勤務間インターバルは、単なる労務管理の取り組みではありません。
経営計画とも深く関係しています。
例えば、経営計画に、
「生産性を高める」
「社員が長く安心して働ける会社をつくる」
「働きやすい職場をつくる」
という方針があるとします。
その方針を実現するための具体的な行動として、勤務間インターバルを位置づけます。
つまり、
経営計画「健康で安心して働ける会社をつくる」
ワークルールブック「仕事が終わったら、次の勤務まで十分な休息時間を確保しよう」
という流れです。
経営計画が「目指す方向」を示し、ワークルールブックが「毎日の行動」を示す。
このつながりが大切です。

A4一枚評価制度では「長時間働く人」を評価しない

ここで、もう一つ重要になるのがA4一枚評価制度です。
勤務間インターバルを導入しても、
「遅くまで残っている社員のほうが頑張っている」
という評価が残っていれば、働き方は変わりません。
むしろ評価したいのは、
  • 計画的に仕事を進める
  • 優先順位を考える
  • 周囲と協力する
  • 業務を改善する
  • 限られた時間の中で成果を出す
といった行動です。
ワークルールブックで望ましい行動を示し、その行動をA4一枚評価制度で認める。
すると社員は、
「長く働くことではなく、良い仕事の進め方が評価される」
と理解します。
これが、人材育成につながります。

導入したら、定期的に振り返る

勤務間インターバルは、ルールを作って終わりではありません。
実際に運用してみると、
「この部署では休息時間を確保できない」
「特定の社員だけ帰りが遅い」
「翌日の始業時間を遅らせにくい」
といった問題が見えてきます。
そのときに、
「本人の努力が足りない」
で終わらせてはいけません。
なぜ守れなかったのか。
仕事量に問題があるのか。
人員配置に問題があるのか。
仕事の進め方にムダがあるのか。
こうしたことを会社全体で考え、ワークルールブックの内容も改善していきます。
守れないルールを放置するのではなく、守れる職場の仕組みをつくる。
これが大切です。

まとめ

ワークルールブックで勤務間インターバルに取り組むとき、大切なのは、
「仕事と仕事の間を空けなさい」というルールを作ることだけではありません。
本当の目的は、
社員が十分に休み、良い状態で働き、限られた時間の中で成果を出せる職場をつくることです。
そのためには、
経営計画で、会社が目指す働き方を示す。
ワークルールブックで、その働き方を実現するための具体的な行動を示す。
A4一枚評価制度で、計画的な仕事、協力、改善、生産性につながる行動を認めて育てる。
この3つをつなげて考えることが重要です。

最後に

「長時間働く人が頑張っている人」
という職場風土のままでは、勤務間インターバルを制度として導入しても、なかなか定着しません。
これから大切になるのは、
「しっかり働き、しっかり休む。そして、限られた時間の中で良い仕事をする」
という職場風土です。
ワークルールブックは、その新しい働き方を社員に押しつけるためのものではありません。
会社が目指す働き方を「見える化」し、社員と共有し、毎日の行動へ変えていくためのものです。
勤務間インターバルを一つのきっかけとして、仕事の進め方そのものを見直す。
そこまで取り組んで初めて、制度が会社の文化になり、本当の意味での「働き方改革」につながっていくのです。