【経営計画】経営理念は必要ですか?
小さな会社ほど「経営理念」が会社の未来を決める理由
「うちは小さな会社だから経営理念なんて必要ない。」
「社員も少ないし、社長の考えを直接伝えれば十分。」
このように考えている経営者の方は少なくありません。
しかし、本当にそうでしょうか。
私はこれまで多くの中小企業の経営計画づくりに携わってきましたが、成長し続ける会社には共通点があります。
それは、
経営理念が経営者の頭の中だけではなく、社員全員の行動の基準になっていることです。
反対に、経営理念がない会社や、理念があっても形だけになっている会社は、会社が大きくなるほど考え方がバラバラになり、組織としての力を発揮できなくなります。
だからこそ、小さな会社ほど経営理念が必要なのです。
■ 経営理念とは何か
経営理念とは、
「私たちは何のために会社を経営しているのか」という会社の存在意義です。
利益を出すことはもちろん大切です。
しかし、利益は会社を続けるための手段であって、会社の目的ではありません。
例えば、
-
誰の役に立ちたいのか
-
どんな価値を提供したいのか
-
社会にどのような貢献をしたいのか
こうした会社の想いを言葉にしたものが経営理念です。
経営理念は、会社のすべての判断の土台になります。
■ なぜ小さな会社ほど経営理念が必要なのか
創業したばかりの会社では、社長がすべてを判断できます。
しかし社員が増えると、
-
判断する人が増える
-
お客様が増える
-
仕事の内容が増える
ようになります。
そのときに、
「何を基準に判断するのか」
が決まっていなければ、
社員によって考え方が違い、
会社の方向性も少しずつズレていきます。
だからこそ、
経営理念は会社の「判断基準」になるのです。
■ A4一枚評価制度では経営理念が出発点
A4一枚評価制度では、
評価制度から作り始めることはありません。
最初に考えるのは、
経営理念です。
なぜなら、
会社が求める人材も、
評価項目も、
行動基準も、
すべて経営理念から生まれるからです。
つまり、
経営理念は会社づくりのスタート地点なのです。
■ 経営理念の作り方
では、どのように作ればよいのでしょうか。
難しく考える必要はありません。
まずは次の5つの質問を自分自身に投げかけてみてください。
① なぜこの会社を経営しているのか
最初に考えたいのは、
会社を続ける理由です。
例えば、
-
地域の人を元気にしたい
-
中小企業の力になりたい
-
お客様の困りごとを解決したい
など、
会社を始めた想いを書き出してみましょう。
② 誰の役に立ちたいのか
次に、一番大切にしたい相手は誰かを考えます。
-
お客様
-
地域社会
-
社員
-
取引先
会社には多くの関係者がいます。
その中で、
どんな人に、どんな価値を届けたいのかを整理します。
③ どのような会社でありたいのか
未来の会社の姿を考えます。
例えば、
-
地域で一番信頼される会社
-
社員が誇りを持てる会社
-
お客様から選ばれ続ける会社
ここがビジョンにもつながっていきます。
④ どんな行動を大切にするのか
理念は行動にならなければ意味がありません。
そこで、
理念を実現するために大切にしたい行動を考えます。
例えば、
-
約束を守る
-
感謝を伝える
-
相手の立場で考える
-
学び続ける
-
挑戦を続ける
これが後の「行動理念」になります。
⑤ 社員にどんな人になってほしいのか
最後に、
会社として育てたい社員像
を考えます。
例えば、
-
自ら考え行動する人
-
仲間を大切にする人
-
お客様から信頼される人
この考え方が、人事理念や評価制度につながっていきます。
■ ワークルールブックで理念を行動に変える
理念を作るだけでは、人は変わりません。
大切なのは、
理念を毎日の仕事で実践できるようにすることです。
そこで活用するのが、
ワークルールブックです。
例えば、
理念が「お客様を大切にする」なら、
ワークルールでは、
-
お客様の話を最後まで聞く
-
約束した時間を守る
-
当日中に返信する
という具体的な行動に変えていきます。
つまり、
理念を「できること」に変える仕組みがワークルールブックなのです。
■ A4一枚評価制度で理念を育てる
さらにA4一枚評価制度では、
理念を評価制度につなげます。
例えば、
行動理念が「誠実な対応をする」なら、
評価項目には、
-
約束を守っている
-
報告・連絡・相談を行っている
-
お客様に誠実に対応している
などを設定します。
評価制度は社員を選別するためではなく、
理念を実践できる人材を育てるための仕組み
として活用します。
■ 経営理念がある会社は強い
経営理念が浸透している会社では、
社員一人ひとりが、
「この会社なら、どう判断するか」
を考えながら仕事をしています。
その結果、
-
判断が早くなる
-
行動に迷いがなくなる
-
社員のベクトルが揃う
-
お客様からの信頼が高まる
-
人材育成が進む
という好循環が生まれます。
つまり、
経営理念は会社を縛るものではなく、
社員が安心して判断し、成長するための「共通のものさし」
なのです。
■ まとめ
最後に、一番お伝えしたいことがあります。
経営理念は、会社の飾りではありません。
会社の未来をつくる「原点」です。
そして、経営理念だけでは会社は変わりません。
-
経営理念で会社の存在意義を明確にする
-
行動理念で毎日の行動に落とし込む
-
ワークルールブックで実践を習慣化する
-
A4一枚評価制度で評価・育成につなげる
この流れができたとき、
理念は「掲げるもの」から「実践するもの」へ変わります。
A4一枚評価制度の視点で言えば、
経営理念とは、会社の未来を示す北極星です。
その北極星に向かって、社員全員が同じ方向を見て歩み続けるために、行動理念、ワークルールブック、そして評価制度があります。
だからこそ、小さな会社ほど経営理念が必要なのです。
