【評価しない評価制度】「うそ」の記録でもパフォーマンスは上がる!?

【評価しない評価制度】「うそ」の記録でもパフォーマンスは上がる!?

意外な真実と成長のヒント

皆さんは、自分の仕事や学習の記録をつけていますか?
「記録をつけることで、自分の頑張りが見える化されて、モチベーションが上がる」 そう感じたことがある人もいるかもしれませんね。
しかし、もしその記録が、少しばかり「盛っていた」り、「うそ」が含まれていたりしたとしても、効果があると言われたらどうでしょう?
今回は、『評価をしない評価制度』という書籍から、少し驚きの実験結果と、それが私たちの仕事や成長にどう繋がるのかをお話しします。

「うそ」の記録でも効果あり?子どもたちの面白い実験

ある実験で、子どもたちを2つのグループに分け、自主勉強の時間を記録してもらいました。
  • Aグループ: 勉強を始めた時間と終わった時間を自分で記録し、勉強時間を算出して記録する。
  • Bグループ: 特に何も記録しない。
結果、Aグループの子どもたちは勉強時間が増え、成績も向上しました。
これは「パフォーマンス・フィードバック」、つまり「事実を振り返る」ことで、自分の行動を意識し、改善に繋がったと考えられます。
ここまでは想定内かもしれません。
しかし、この実験にはさらに面白い続きがありました。
なんと、Aグループの中には、実際の勉強時間よりも長く「うそ」の時間を記録していた子どもたちがいたというのです。
にもかかわらず、彼らでさえ、何も記録しなかったBグループの子どもたちと比べて、結果的に勉強時間が増えていた、ということが明らかになりました。

なぜ「うそ」の記録でもパフォーマンスが上がるのか?

この結果は一体何を意味するのでしょうか?
それは、記録すること自体に、行動を促す力があるということです。
たとえ、つけた記録が完璧な真実でなくても、
  1. 意識が向く: 「記録する」という行為によって、自分の行動や目標に対する意識が高まります。
  2. 目標設定になる: 「これだけはやったことにしよう」と記録を作る過程で、無意識のうちに自分の中で「これだけは達成しよう」という基準や目標が生まれます。
  3. 自己期待が高まる: 自分自身で「〇時間やった」と記録することで、「私はこれだけできる人間だ」という自己像が形成され、その期待に応えようと行動するようになります。
つまり、完璧な「事実の記録」であることよりも、「自分の行動を意識的に捉え、記録する」というプロセスそのものが、私たちのパフォーマンス向上に繋がる大きな要因なのです。

「評価しない評価制度」と「うそ」の記録

この考え方は、「評価しない評価制度」の根幹とも深く繋がっています。
「評価しない評価制度」では、上司など外部の人間による客観的評価のプレッシャーを減らし、個人が自身の成長に主体的に向き合うことを重視します。
このとき、「行動の所産」のような客観的な成果を記録することも重要ですが、今回の実験が示唆するのは、自己記録のプロセスそのものが、個人の「やる気」や「行動」を引き出す強力なツールになり得るということです。
たとえ、完璧な記録でなくても、自分自身で「これだけやった」と記録することで、それが自分へのフィードバックとなり、次への行動に繋がっていく。
これは、外からの評価ではなく、内側からの成長を促す「評価しない評価制度」の考え方と非常に相性が良いと言えるでしょう。

経営計画やワークルールブックとの繋がり

では、会社全体の「経営計画」や日々の「ワークルールブック」に、この「うそ」の記録でも効果があるという考え方がどう繋がるのでしょうか?
経営計画との繋がり
会社が掲げる「経営計画」は、通常、大きな目標から具体的な行動目標へと落とし込まれます。
「今月は〇件の新規顧客にアプローチする」といった個人目標がある場合、たとえ「少し多めに記録してしまおう」という気持ちがあったとしても、記録する意識が生まれることで、「記録通りに行動しよう」というインセンティブが働きやすくなります。
結果として、個人の行動が活性化され、それが積み重なって会社全体の経営計画達成に貢献する可能性があるのです。
ワークルールブックとの繋がり
「ワークルールブック」には、業務の進め方や品質基準、コンプライアンスなど、組織として守るべきルールが記載されています。
例えば、「毎日、この工程のチェックリストを記録する」といったルールがあったとします。

 

もし、その記録が完璧でなくても、「記録をつけなければならない」という意識が働くことで、その工程を意識的に行うようになり、結果的にルールブックに沿った行動が促進されることがあります。
記録の有無が、行動の質や徹底度に影響を与えるというわけです。

 

まとめ:記録は「未来を創る」力になる

今回の話は、「記録は完璧でなくても良い」ということを推奨するものではありません。
正確な記録は、客観的な振り返りや改善のために非常に重要です。
しかし、この実験が教えてくれるのは、「自分の行動を意識し、それを何らかの形で記録する」という行為そのものが、私たちのパフォーマンスを高め、成長を促す強力な力を持つということです。
完璧主義にならず、まずは「記録してみる」ことから始めてみませんか?
それが、あなたの、そして会社の「未来」をより良いものに変える第一歩になるかもしれません。