とても重要なテーマです。
「評価しない評価制度」において最も誤解されやすいのが 給与改定(昇給)の仕組みです。
結論からお伝えします。
評価しない評価制度における給与改定とは、評価点によって給与を上下させることではなく、「役割」と「パフォーマンスの安定度」に応じて給与レンジの中で調整することです。
つまり、給与改定は
評価 → 昇給
ではなく
役割 → 範囲給 → 成長段階
で決まります。
(経営計画×ワークルールブック×評価しない評価制度)
🧭 1. まず給与改定の考え方を変える
従来の評価制度では、
-
評価点
-
ランク
-
達成度
で昇給が決まります。
評価 → 昇給
しかし評価しない制度では、この構造をやめます。
代わりにこうなります。
役割 → 給与レンジ(範囲給) → 成長段階
つまり
給与は評価ではなく「役割の重さ」で決まる
🟦 2. 範囲給制度が給与改定の基盤
評価しない評価制度では**範囲給制度(レンジ給与)**を使います。
例
| 役割等級 | 下限 | 中央 | 上限 |
| 等級1 | 220,000 | 240,000 | 260,000 |
| 等級2 | 260,000 | 290,000 | 320,000 |
| 等級3 | 320,000 | 360,000 | 400,000 |
| 等級4 | 400,000 | 450,000 | 500,000 |
この範囲の中で給与が変動します。
🟦 3. 給与改定の3つのパターン
評価しない評価制度では給与改定は主に3つです。
① 範囲内昇給
同じ役割の中で成長が安定してきた場合
例
-
判断スピードが安定
-
行動の再現性が上がる
-
他者への影響が増える
等級2
260,000 → 280,000
評価点は使いません。
② 役割更新(昇格)
次の役割がすでに再現されている場合
等級2 → 等級3
昇格時に給与レンジが変わります。
③ 市場調整
-
市場賃金
-
会社業績
-
経営判断
で調整することもあります。
🟦 4. 経営計画との関係
#経営計画
給与改定は会社の戦略とも連動します。
例
今年の経営テーマ
-
顧客信頼
-
新規事業
-
DX推進
そのテーマに関わる役割は役割価値が上がる可能性があります。
つまり
給与は評価ではなく経営上の役割価値の反映
🟦 5. ワークルールブックとの関係
給与改定の考え方は
必ずルールブックに書きます。
書く内容
-
範囲給制度の考え方
-
評価を使わない理由
-
昇給の考え方
-
昇格との関係
ここが曖昧だと不公平感が生まれます。
🟦 6. 給与改定の判断材料
評価しない制度ではパフォーマンス・フィードバックの内容を見ます。
主に見るのは
① 行動の再現性
② 判断の安定度
③ 影響範囲
④ 行動の所産(習慣・能力・スタンス)
🟦 7. よくある誤解
誤解①
「評価がないと昇給できない」
→できます。
役割と成長で判断します。
誤解②
「全員同じ昇給になる」
→なりません。
範囲給の中で変動します。
誤解③
「給与説明が難しい」
→むしろ説明しやすくなります。
評価が良かったから
↓
役割としてこの水準
🟦 8. 運用がうまくいく状態
給与改定がうまくいくと
-
給与の納得感が高い
-
評価への不満が減る
-
昇格が説明できる
-
成長の方向が見える
🎯 一言でまとめると
評価しない評価制度における給与改定とは、評価の結果ではなく「役割の重さ」と「行動の再現性」に応じて範囲給の中で調整する仕組みである。
