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「評価しない評価制度」において、「うそ」の記録でもパフォーマンスは上がりますか

結論から言えば――
「うその記録」ではパフォーマンスは上がりません
むしろ「上がったように見えて、実際には停滞する」状態になります。
しかし、この問題は単に「嘘はいけない」という倫理の話ではなく、
「なぜ嘘を書きたくなるのか」という制度設計の問題でもあります。
以下、A4一枚評価制度の思想に沿って、構造的に説明します。

🟦 結論:うその記録はパフォーマンスを上げない

理由は次の3つです。

① パフォーマンスは「思考 × 行動 × スタンス」の総合力

パフォーマンス・フィードバックが扱うのは
  • 実際の思考
  • 実際の行動
  • 実際のスタンス(価値観)
という「本人の内側のデータ」です。
うその記録は
内側のデータを歪めた状態でフィードバックを行うことになるため、
改善すべきポイントにたどり着けません。
嘘の記録 → 間違った原因分析 → 間違った改善 → 成長が止まる

② 「うそ」は上司の支援ポイントを誤らせる

パフォーマンスを上げるためのフィードバックは、
「どこで思考が止まっているか」を見つける作業です。
うその記録になると、上司は誤った前提で助言することになり、
本来の支援が届かない
正しいフィードバックには「正しい素材」が必要。
うその記録は、この素材を劣化させます。

③ 「うそを書く状況」こそが最大の問題

実は、もっと大事な視点があります。
そもそも、なぜ嘘を書きたくなるのか?
これは多くの場合、
  • 評価されてしまう不安
  • 自分をよく見せたい圧力
  • 上司が採点しようとする雰囲気
  • 記録が「裁く道具」になっている が原因です。
つまり、
うその記録は、制度そのものに「評価の匂い」が残っているサイン。
これは制度設計や上司のスタンスを見直す必要がある、という重要なヒントです。

🟦 「うそでも良い記録を書けてしまう制度」は危険

短期的には「良いパフォーマンスに見える」ことがあります。
しかしこれは「粉飾決算」と同じ構造で、
成長の実態が見えなくなるため、長期的には組織が弱ります。
  • 変化が起きていないのに「できている」ことになる
  • 本音の問題が見えない
  • 上司との信頼関係が薄まる
  • 成長の再現性が低下する
つまり、
「うそ」は制度を破壊する最大のノイズになります。

🟦 評価しない評価制度が目指しているのは「完璧な記録」ではない

むしろ重要なのは、
正直な言葉・未完成な思考・うまくいかなかった行動です。
これこそが、成長につながる「最高の素材」だからです。
うそを排除するのではなく、
「うそを書かなくてもよい安心感」を制度で作る。
これが評価しない評価制度の核心。

🎯 一言でいえば

うその記録ではパフォーマンスは上がらない。
上がるのは「表面的な見栄え」だけ。
本当の成長は「正直な内省」からしか生まれない。