· 

「評価しない評価制度」では、給与・賞与はどのように決めるのですか

「評価しない評価制度」においても、給与・賞与は明確なロジックのもとで決定します

ただし、そのロジックは「点数による序列」ではなく、「役割・成長・貢献の納得構造」で設計します。

🔹1. 前提:「評価しない」は「採点をやめる」ことであって、「判断をやめる」ことではない

多くの誤解はここにあります。
「評価しない」とは「好き勝手に報酬を決める」ことではありません。
目的は、「上司の主観や点数の駆け引きをなくす」こと。

つまり、

 

「査定」ではなく、「合意形成による処遇決定」
に変える、ということです。

🔹2. 給与(基本給)の決め方:役割基準で設計する

① 役割等級を設定する

  • 等級1:担当レベル(指示に基づき業務を遂行)

  • 等級2:自立レベル(自分で判断し改善する)

  • 等級3:リーダーレベル(チームを動かす)

  • 等級4:マネジメントレベル(仕組みをつくる)

 

この「役割の重さ・範囲」に応じて基本給レンジを設定します。

② 年1回「役割の見直し」で昇給を決定

評価点の代わりに、「役割宣言」と「成果・成長の振り返り」を用います。

  • 自身が担った役割(範囲・責任・成果)を本人が整理

  • 上司と対話して「役割を更新できたか」を確認

  • 更新されたら等級UP → 基本給レンジUP

 

✳️ ここでは「できた・できない」ではなく、「どんな変化・成長を遂げたか」を見ます。

🔹3. 賞与(ボーナス)の決め方:貢献と成果の共有ベース

 

「評価しない評価制度」では、賞与を「成果の分配」ではなく、「貢献の共有」として扱います。

① 賞与原資は「業績連動」で決定

 

会社全体や事業部の成果に応じて原資を決めます。
例:経常利益○%を賞与原資とする。

② 配分ルールは“役割と貢献”で決める

 

個人の点数ではなく、役割の大きさとチームへの貢献度で配分します。

区分 配分の考え方
等級(役割) 基本的な配分比率 等級2:1.0、等級3:1.3、等級4:1.6
貢献対話 チーム内で共有・推薦 特別な貢献があれば上乗せ分を加算
チーム成果 チーム業績に応じた係数 100%達成=1.0、120%=1.2

このように、「成果の数字」ではなく、「貢献の認知」と「役割責任の発揮度」で決まります。

🔹4. 「納得感」を生む3つの運用ポイント

①ロジックをオープンにする
 「どうやって給与・賞与が決まるのか」を社員全員に明示します。
 → 不透明さがなくなり、不満が激減します。

②本人が関与する
 年1〜2回の“役割対話”で、本人が自分の成長を言語化。
 → 「自分で納得して上がる」感覚が生まれます。

③金額よりメッセージを伝える
 金額は結果ですが、
 「あなたの役割と成長をこう見ています」という言葉が、最大の報酬になります。

5. まとめ

 

「評価しない評価制度」でも給与・賞与は決められる。
その鍵は「点数ではなく役割」、そして「査定ではなく対話」。

項目 従来制度 評価しない評価制度
 給与  評価点で上下 役割更新で変動
賞与 個人点数で差 チーム業績+貢献で配分
面談 点数説明 成長対話・役割合意
哲学 公平重視 納得重視